私の母は個人事業主です。
飲食店営業をやっています。
そんな母が亡くなりました。
生きていれば、いつか必ず死が訪れます。
自分の家族となれば、その悲しみは計り知れません。
ですが、悲しみに浸る余裕も時間もなく
やるべき事や手続きが次から次へと降りかかってきます。
働いていない場合は関係ありませんが、もし個人事業主(経営者)だった場合は
さらに膨大な手続きに追われることになります。
私が3歳の時に父が亡くなっため、当時の父の記憶はありません。
そして、昨年に母を亡くしました。
母は52歳の若さでした。
あくまで私の場合ですが、
自分の親が亡くなってから、個人事業を廃業するまで
行ったことを記録していこうと思います。
個人的な忘備録のような記事です。ご了承ください。
自力で対応できない場合、素直にプロを頼る
残された家族だけで対応できるなら良いのですが、
そうでない場合は、早急にプロに頼るべきです。
特に、以下のような場合は
ぜひ税理士や司法書士へ相談に行くことをオススメします。
母の場合は、完全に一人で全ての事業を行っていたため
なんとか私一人で対応できました。
まずは準確定申告を行う
「確定申告」という言葉なら、みなさんよく耳にしますよね。
個人事業主や副業を行っている方だけではなく、
医療費控除や住宅ローン控除などで申告する方も多いと思います。
この「準確定申告」というのは、
前回の確定申告後~亡くなった日までの期間の収入に対する確定申告です。
申告するべき本人が亡くなった場合、相続人が代わりに行います。
★詳細は、国税庁のホームページをご参照ください。
No.2022 納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)
もし父が生きていれば、相続人は配偶者である父だったのでしょうが
いないので娘の私が相続人となります。
申告の手順・内容は、普段どおりの確定申告と変わりはありません。
ですが、通常の確定申告自体が難しいと感じる場合は
税理士さんに外注した方が良いでしょう。
私は自力で準確定申告をしました
私の場合は、以下の理由から
自力で申告できそうな状況だったので挑戦しました。
- 本業が経理職
(勘定科目や税法をある程度理解していた) - コロナ禍の影響
(例年より仕入・売上の件数が少なかった)
とはいえメッチャ大変でしたよ
ただでさえ憔悴しているはずですので、無理しないで欲しいです。
私はちょっと無理しすぎて鬱みたいになってしまいました。
また、準確定申告は
亡くなった日から4ヶ月以内に行わなければならず
もし間に合わなければ延滞税等が課されてしまう可能性もあります。
準確定申告は終わらせたが、納税を忘れていた
私の場合、申告自体は4ヶ月以内に終わらせていたのですが
「納税まで終わらせなければならない」ことを知りませんでした・・・
(調べれば分かったはずなので、わたしの確認不足です)
確定申告をしたら、勝手に納付書が郵送されるんだと思ってました。
違いますよー!!(笑)
私は税務署から電話がかかってきて知りました・・・。
幸いにも、延滞税などが加算されることはなく
後日郵送された納付書を持って即納税しに行きました!
お店も資産。すぐ手放すか、相続するか考える
準確定申告を行うのと同時進行で、
母の店を今後どうするか決めなくてはいけません。
私の場合は、気持ちの整理がつかず
また店内の片付け・退去にも時間がかかることから
しばらく継続してテナントビルを借りることにしました。
そのため、
- 店舗(テナント)のオーナーと契約書の名義変更
- 保健所へ行き、営業許可証の承継手続き
- 契約している電気、水道、電話代などのインフラ系を名義変更
など、亡くなった母の名義のままではマズいものを
ひたすら変更手続きしていきました。
平日の日中でないと手続きできないものもあるので、
なかなか大変です。
店内の片付け、気持ちの整理が落ち着いたら
大好きな母が、長年女手一つで切り盛りしてきた大切なお店。
ずっとこのまま手元に置いておきたいけれど
現実問題そうはいきません。
毎月15万円ほどの家賃を払い続けるのは難しいし
かといって他人にお店を譲る気にもなりません。
自分で経営するのも無理です(才能がなさすぎる)
たくさん写真を撮って、大好きな母のお店とお別れしました。
税務署と保健所に廃業届を出す
お店をたたむ=廃業です。
ちゃんと届出をしておかないと、
次の年度でも個人事業税を加算されてしまったり
損をしてしまうことになるので、必ず書類は提出しておきましょう。
国税庁のリンクを貼っておきますね。
個人事業の開業届出・廃業届出等手続
廃業(事由)の書き方
廃業の理由を書く欄がありますが、簡単でいいですよ。
「売上減少による」とか。
保健所にも廃業の届出をしなければならない筈ですが、
県によって様式が違うと思いますので
お住まいの地域に合わせて調べてみてください。
店は母の生きた証だった
母が亡くなり、お店もとうとう手放すと決めたとき
非常に辛かったです。
母は若くしてこの世を去ることになりました。
私も子どもを出産したばかりだったので
もっと生きてほしかった、一緒に生きたかったと今でも辛い思いをしています。
ですが、下を向いてばかりもいられません。
「人間いつまで生きられるかは分からない」
分かっていたつもりでしたが、分かっていなかった。
自分がいつ死んでもいいような生き方をしていきたいと思います。
死生観も変わったし、
自分が死んだ後の片付けを考えてしまって
無駄なものを買わなくなりました(笑)
ごく一般的なサラリーマンの家庭に生まれるより、
大変な事が多い人生だったと思いますが
おかげで、人生経験は周りの友達より豊富だと思います(笑)
まとめ
- 個人事業主の親が亡くなったら、準確定申告をする
- 事業を直ちに廃業するか、継続するか決める
- 継続する場合は、関係する名義を変更する
- 廃業する場合は、廃業届の提出を忘れず行う
以上、私の体験談をまとめました。
飲食店営業ではなく別の業種だった場合は、
また違った手続きが発生する場合があります。
不明点や不安なことがあれば
税理士や司法書士さんに相談してみてくださいね。
親を亡くした悲しみで、
全て投げ出してしまいたくなる気持ちになるかもしれませんが
最後の親孝行だと思って頑張りましょう。
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